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構造計算と耐震診断技術者のブログ
耐震診断・構造計算の知識と技術者の日常について

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構造設計者は”内縁の妻”のような存在
「構造設計者は法令上の設計者ではないのだから、本来は構造設計の不備も元請けの建築士である意匠設計者が全責任を負うべきではないか?」

と言うご意見を頂きましたので、私の考えを書いてみます。


姉歯さんも、浅沼さんもどちらかと言うと、一見、人が良さそうな感じに見えるのは私だけでしょうか?人を騙すより、騙される感じのタイプに見える。
私は全く面識もなく直接知らないのですが、浅沼さんを知っている方に言わすと非常にまじめな人・・・という噂も聞きました。また、マスコミの方に言わすと

「二人とも、タタキがいがないんだよね」

といったキャラのようです。なんかちょっと嫌な表現ですが・・・


さて、なぜ彼らは「私は設計者ではないので、設計責任は負わないよ」と言わないと思いますか?もしかすると人の悪い構造屋さんならそう言うかもしれませんよね。

私が予想するのは、彼らは法令上の解釈とは関係なく

「自分たちは設計者である」

と思っているからだと思います。法令上、また社会的には設計者ではないけど。

実はこういう事って世の中に結構あるのではないかと思います。
例えば、よく聞くのが ”内縁の妻”の話で

「法律上正式な 妻 ではないけど、実質的な 妻 に相当するため、相続や慰謝料を請求する権利がある・・・」

これを今回の事件に置き換えると、

「法律上正式な設計者ではないけど、実質的な設計者に相当するため、設計責任を負う義務がある・・・」


でも、”内縁の妻”の話はいい話なんですが、”構造設計者”の場合は悪い話で社会的認知もないのに設計の責任だけは、おわされるってことなんでしょう。

私も構造設計者は、法令上どうあれ、実質的設計者であると思っています。また責任も感じていますし、自分の仕事に誇りに思っています。おそらくほとんどの構造設計者はこういう気持ちで働いているでしょう。

そして彼らも間違いは犯したにせよ、自分たちが設計者だと認識しているからこそ「私は設計者ではないので、設計責任は負わないよ」なんて事は言わないのだと思います。


ではこういう業界の状況がどうかと言えば、異常な状態である事はあきらかです。今回このような事件が発生し、結局みんなが損をしているのではないかと思います。


意匠設計者: 私が構造設計した訳でないのに、なんで私にも設計責任
         を負わされるんだ。

構造設計者: 私は設計者でない事になってはいるが、責任だけは負わ
         なきゃいけないんだ。

施    主: 私は構造設計者なんて会った事もないし、そもそも知
         らないぞ。私のお金をかけて建てた建物は一体どう
         なるんだ。


もう、めちゃくちゃです。ホントにこのルールなんとかなりませんかね。

誰がいいとか悪いとかとかでなく、このルールをほったらかしにしてきた歪みがここにきて一気に吹き出している感じがします。

いつかは正式なお嫁さんになりたい・・・そんな構造設計者の独り言でした。
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テーマ:建築デザイン - ジャンル:学問・文化・芸術

この記事に対するコメント
仕事のスタイル
>ただグチばかり言ってしまいがちですが、こんなヘンテコなルールの中でも、今より喜んでもらえるような仕事のスタイルを考えて努力していくだけです。

前向きな、素敵な表現をありがとうございます。

そうありたいと思います。

ありがとうございます!
【2006/03/16 21:56】 URL | けろ #1eZarbFo [ 編集]

我々にできること
>そういうルール(法律)であることにあぐらをかいて、構造、設備、電気といった設計下請>を「下僕」と勘違いしている方たちもいます。

まだそんな時代おくれな設計者もいるんですね。私はそういう方とはおつきあいしない主義なので大丈夫ですが・・・ただ個人的には、そういう方たちはそう遠くない時期に淘汰されていくと思います。あくまで勘ですが。

私はこういう業界の状況を変化させられる力がある訳ではないので、ただグチばかり言ってしまいがちですが、こんなヘンテコなルールの中でも、今より喜んでもらえるような仕事のスタイルを考えて努力していくだけです。

コメントありがとうございました。
【2006/03/16 12:45】 URL | 田中@管理人 #- [ 編集]


おっしゃる通り、「ルールの問題」・・・つまり、法的な整備が不十分であることが一番の原因だと思います。でも、マスコミの報道はそういう観点ではないように感じます。ひたすら、「悪人」を捜し出して叩こうとするだけ。そこが、建築関連に携わるものとしてもどかしいところです。

でも、敢えて言うなら、そういうルール(法律)であることにあぐらをかいて、構造、設備、電気といった設計下請を「下僕」と勘違いしている方たちもいます。施工業者さんも奴隷のような扱いを受けていたりします。同じ意匠でも、「先生」はラフスケッチを描くだけで、実際に図面をおこし、ディティールを考えるのは下請まかせだったり。

建築に関しては、「芸術家」と「技術者」と「技能者」がごっちゃになっているのも、どうかと思います。


設計の各領域も、施工の各工種も、ひとつの建物を創りあげるためのパートナーとして、お互いに尊重できる関係でありたいと願っているのですが。


更には、お施主さんも、やっぱり重要なパートナーであって、でも決して「神様」ではないのですよね。

どんどん独り言になっていくので、このへんで。
【2006/03/16 12:14】 URL | けろ #1eZarbFo [ 編集]


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